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我行我素

2009/05/01

精一杯(ファンクラブ会報原稿)
みんないつもありがとう!
毎年この季節になると、ポカポカ陽気にワクワクしてくるねぇみたいなことを書いているが、
今年もまさにそんな気分の今日この頃、みなさんはいかがお過ごしでしょうか?

俺の住んでるここの敷地内にね、何の木かは知らないけれど並木路があってね、
同じ木がずらっと道の両側に植えられてるのね。
俺はほぼ毎日、
敷地内の庭園のその並木路を100mくらい歩いて駐車場に向かってるんだけれども、
ここに住むようになってかれこれ5年くらいなのかなぁ?
さすがにこんだけこの路を通ると、
いつのまにかその間にある木を一本一本覚えちゃってたりしてて、
その木々は、毎年冬になると枝の先や葉が切られて丸裸にされちゃうんだけれども、
春になると新芽っていうのかな?新葉っていうのかな?
とにかく、フレッシュな緑の今年の葉っぱが出てくるのね。
だから毎年、新芽の季節は、その木々の間を歩きながら
「お 今年も元気に復活だね」とかなんとか思いながら、
それぞれの木の鮮やかな芽を観ながら駐車場に行ってたりするんだ。

さっきも言ったけど、俺は一本一本の木を覚えてるからさ、
それぞれのキャラっていうか個性っていうか違いっていうかを知ってるでしょ?
毎年のこの新芽の季節っていうのは、
特にこいつらの個性の差が如実に現れる季節なんだ。
元気の良し悪しとか、早熟だとか、派手だとか地味だとか、先走りだとか奥手だとか、
まるで人間と同じようにそれぞれあるのよ性格っていうかキャラが。

そんなこいつらの中で、俺が特に気になってる木が一本あってね。
そいつは、駐車場までの中ほど右側にある、まわりのやつらよりひとまわり、
いやふたまわり小ぶりで痩せててってかんじのチビすけ。
こいつは毎年、芽を出すのが最後なんだよ。発育も遅い。
他のやつらがわりと能天気に「ん? 春?あっそ?ラッキ〜!ゴ〜ゴ〜!」ってなぐあいに
イケイケに春を謳歌し出すのとは対照的に、臆病っていうの?不器用っていうの?
きっとそもそも生き物としてのパワーが若干弱いのかもしれないけど、とにかく奥手なんだそいつ。
毎年「だいじょぶか?おまえ」って心配するくらい発芽が遅い。

でもね、そいつを観てて、一生懸命生きてるのが俺にはなんかわかる気がしててね。
そりゃ、まわりのやつらよか小さいし、枝ぶりもけっしていいとはいえないし、
毎年の発芽も最後かもわかんないけど、
やつはやつで、不器用でも自分なりに精一杯一生懸命やってる。
俺は毎年この季節になると、いつもそいつの前で立ち止まって幹に触れ、んで
「お すげぇぢゃん ちょっとだけど伸びてきたぞ。
まぁ多少みんなよか遅れてるかもだけどさ、いいよマイペースで。じっくり行こうな」
とかなんとか話かけてる。
そうすると手を伝ってやつの生命力っていうか、伸びようとしてる気持ちがビシビシくる。
そうすっとね、「おっしゃ、俺もがんがろぉ!」みたいな気になるから不思議よね。

でもそんなこんなで、夏になるとね。全然大丈夫なのよ。
こいつもいっぱしの枝葉を広げて頑張ってるかんじになるんだ。
あいかわらずまわりのみんなよかは、ちょこっとだけちっちゃいんだけどね。
でも全然オッケー。
むしろでかいまわりのやつらにまじって、精一杯気張ってる雰囲気が凛々しいくらい。
だから夏になってそいつの前を通るとさ、そんな姿がとっても嬉しくってさ、
おもわずガッツポーズしちゃったりするんだ。
俺は、木でも人間でも一生懸命やってるやつが好きだ。
精一杯やってるやつが好きだ。

今の時代、シャカリキになってあくせくするのはカッコ悪いとか、
要領よくサクっといこうぜ的にまとめるのがスマートだみたいな雰囲気あるけれども、
そうできるやつはそうすればいい。
てゆかそれに越したことはないのはわかってる。
しなくていい苦労はわざわざしないほがいいに決まってるからね。
でもさ、人間それぞれ持って生まれたモンってのがあるからね。
みんな違うんだし、得手不得手があるのはあたりまえだし、器用不器用あるのもあたりまえ。
得意なモノは調子にのってカッコよく決めればいいのよ。
でも肝心なのは、不得手なモノにぶち当たった時の態度。
避けて通るのも手だろうし、やけになってテーブルひっくり返すのも手かもしれない。
でもね、自分なりに自分のペースで一歩一歩コツコツ一生懸命やっていけば、
どんなコトもそれなりに自分自身が納得できるとこまで行けると思うんだよね。
他人の評価なんてこの際どうでもいいのよ。
問題になったりするのは、そもそも不得手なコトだったりすんだもん。
要領よくできなくっても、人より遅くても、下手でもなんも恥じることはないんだ。
肝心なのは、そんな時のそういう自分自身に誇りを持てるかどうかって部分だから。
何が最悪って、どんな時にでも自己嫌悪ほど最悪で役にたたない感情はないと俺は思ってる。
たとえ自分がどんなにドンくさくて不器用でちっちゃくかんじるような場面に遭遇して、
誰に何を言われたとしても、少なくとも自分自身には恥じないような自分でいるべきだと俺は思う。

あれま… 並木路の話からついつい熱く語ってしまいましたが、とにかく俺はホントそう思う。

つうわけで、銀蝿は今年29周年。つうことは、来年30周年ですね。
でもさ、30周年30周年って今から騒ぐと29周年がかわいそくない?アハハハ
つまり何が言いたいかというと、一年一年頑張ろうって思ってるってことです。
30周年は通過点だったりだもね。つうことは29周年も同じなわけで、
さっきの木の話ぢゃないけれども、毎年毎年、不器用でも地味でも、
とにかく今できること、今やらなきゃいけないことを
一生懸命やっていきたいと俺は思っています。


d(^-^)夜狼獅琥




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