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我行我素

2010/09/01

ポンコツと呼ばれるか、ヴィンテージと呼ばれるか(ファンクラブ会報原稿)

いつもみんなありがとう!

さてさて前回に引き続き、今だに"わらび餅"と"新渡戸稲造"真っ只中な俺ですが、
実はなにげに教育会館での前夜祭に向けて、
ビシっと気分が集中集中集中してきています。
でも、30周年を迎えるにあたって俺はいったい何にどう集中してるんでしょうか?

だって、プレイやパフォーマンスに関しては日頃から集中してるわけだし、
その他モロモロだって普段頑張ってないわけぢゃないですからね。
結局、とっても内観的な問題なんだなこれが。
どゆことだかっていうと…

こんだけバンドやってると、
日常が"当たり前的""普通こうだ的""無自覚自動的"な事柄に囲まれてるわけです。
頭あんま使わなくなるっていうか。つまり今までの経験から、
知らず知らずに頭の中で習慣やパターンが構築されていて、こうしてればいちお大丈夫風な、
良く言えば全体に安定した雰囲気っていうか、はずしのない"定型"があるわけです。
適応というか学習するのが人間だから、やっぱそうやってアベレージをキープしてるんですね。
それはそれで必要なことだし、長くやってる人達の"落ち着き"や"貫録"も
そゆとこからくるんだと思うんだけど、でもそのぶん、
反対に「(今でも)ホントにこれでいいんだろか?」とか、
「"(だってこうなんだから)しかたないよね"でホントにすましていいのか?」
みたいな、バンド全体や自分自身に対するチェックや素朴な疑問が、
非常にうかびにくくなってもきます。
ベテランになればなるほど、もう誰もあれこれ言ってくれないしね。

最初はわけもわからずすべてを手さぐりで始め、だから当然失敗や壁にバシバシあたり、
んでそのたびにだんだん要領やコツを掴み、
うまくいく段どりを自分たちなりに習得して今に至ってるわけだから、
"慣れ"は勝つためには絶対必要だったし当たり前なことで、
けっしていけないことではないんだけれど、
でもだからって平たい目線でのそいったチェックを怠ってくるようになったら、
きっとそこまででおしまいだと俺は思ってます。
うっかり忘れてしまっていることもあるだろうし、知らず知らずに、
何が大切で、何がカッコよくて、何が恥ずかしくて、
俺達はどうあるべきだみたいな価値観の軸が変わってしまっていることもあるだろうし、
以前OKだったことが今では通用しないかもしれないし、
だいちそれはもう許されないかもしれないし。
そもそも人間、
どうしても楽な方へ楽な方へ流れていっちまう習性ってのもあるでそ?(藁)
歳をとってくればくるほどなおさらね。

このところそいった意味で全体的に「おかしいぞ。何か違うぞ」的な気持ちが、
やっぱだんだんと俺の中に確実に渦巻いてきてるのも事実で。
とにかく簡単に言っちゃうと、"ゆるい"ってのや"ぬるい"ってのが性に合わないの俺。
てゆかホントにやなわけよ。
んで結局、冒頭の"集中"ってのは、今までや今後の自分との対話ってことなんだな。
自分としても、バンドとしても、
どうあるべきか?これでいいのか?
ならどういくべきか?みたいな。
だって進歩し続けていたいから。 立ち止まるってのもすでに退化だし、
だって時間は流れてんだも。さぼったりなんかしてたら即退場。
でもね、だからっていつも張りつめていたいってのとは意味ちがくて、
ようは常に"さすが"なかんじを大事にしたいっていうか。
そもそも、なかなか人にはできないことやってっから偉そうな顔できるわけで、
でもそれは現在進行形ぢゃなきゃだめで、
昔のお手柄の威力でどうにかこうにかじゃダサイっしょ。
だいち世の中みんな馬鹿ぢゃないから、
いつまでも騙し騙しは通用しないと思うし。
只者(ただもの)になってトンマなことばっかやってたら、そりゃ魔法もとけちゃうよ。

俺なりに今はっきりわかってることは、
うわべだけの"なんちゃって"や"借り物"や"間に合わせ"はもう通用しないだろってこと。
良くも悪くも30年間、
自分の内側で熟成されて自然にしみ出てきたことがらに
誇りと自信をもってストレートに勝負すべきだってこと。
そこには虚勢もハッタリもいらないし、もちろん媚を売る必要もない。

以前にも書いたけど、横浜銀蝿っていうバンドは、音楽がどうたらという部分よりも、
ひとつの風俗としてや、人生に対する姿勢、
生きざまとしての側面がクローズアップされて成功した前例のないグループだ。
応援してくれてるみんなも、単にヒット曲を演奏する楽団としてだけではなく、
人間としての生きる姿勢をも含めた目線で見守ってくれている。
前例のないバンドだから、当然今後も前例のない進展を続けていくわけで、
そのメンバーである俺もやっぱり当然、バンドマンとして前例のない道を歩いていくわけだ。
ん?てゆか前例を作り続けていくってことだかな?

古くなった時に、ポンコツと呼ばれるかヴィンテージと呼ばれるかの違いは、
「やっぱモノがちがうねぇ」っていう肝心な部分とそのコンディション、
つまりメンテナンスだと思う。
さっき言った"さすが感"と似たようなことだね。
そろそろ銀蝿も根っこの部分で、ポンコツかヴィンテージかの分かれ道に来てる。
もちろん俺はヴィンテージを望んでるけど、
そればっかはみんなのジャッジにゆだねるしかないからね。
30周年をむかえた俺達が今度どんな前例を生みだしていくのか、
ワクワクしながら楽しみに見守っていて下さいね。

というわけで、このところそんなこんなを考えながら、
教育会館の準備やリハーサルに臨んでる俺なわけです。
是非会場で逢おうね。
こんだもまた一緒に楽しもう!

Hey ! It's all right !







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