ぶっちぎりインターネット

第2回『ネットナンパ大作戦!』




ちゅ〜こって連載第2回目のテーマは“ネットナンパ”。

男なら誰でも感心ありありの話題であろう。
巷のメディアでは、ネットの風紀の乱れをビシバシ報道しているし、
実際にネット上では商業サイト、個人サイト問わず
『出会い系』とうたったサイトが乱立している。
しかしちょっと待った!
現実はそう甘くはないのである。
何事にもそれなりの心構えと努力は必要なのだ。
今回は必勝を夢見る、そんな男性諸君におくる男の企画である。


第2回『ネットナンパ大作戦!』(DOS/V USER 6月号 原稿)


《リード》

今回のテーマはズバリ“ネットナンパ”
やはり、男性諸君の一番の関心はなんたって“オンナ”の事。
実際、彼女を求め、大勢の寂しがり屋が日夜ネットを徘徊している。
ネット上には、それこそあっちこっちに出会い系のサイトが花盛り。
伝言板だのチャットだの、メル友サークルだのなんだのもいっぱい。
女性のやっている個人サイトには、セッセと女王様目当ての野郎どもが群がり、
ICQや、いたる所のボード上でも、野郎どもによる女性の争奪戦が繰り広げられている。
しかし現実は厳しいのだ。いくら夢のインターネットと言ったってそう甘くはない。
今回は、そんな状況の中で最後に笑う為の男の特集である。


《本文》

心得その壱 ハンドルネーム

すべてのセンスはハンドルに現われると言っても過言ではない!
ボードにしろチャットにしろメールにしろ、そうそうオフ会であっても
ハンドルで呼び合う事が多いじゃん?
うかつにマヌケなハンドル名乗ってしまうと、それこそマンガだ。
仮に『さるまた』と言う彼がいたとしよう。
お目当ての彼女とチャットで親しくなり、とうとうICQでやりとる事ができたとする。
ムードもなかなか盛り上がってきた。よしっ、携帯まであと一歩だ。
ここですかさず愛を告白。
「実は以前からあなたの事が好きなんです。是非真面目におつきあいして下さい。」
一瞬驚く彼女。しかし悪い気分ではない。
実際にすでに彼女も、紳士的で知性と教養あふれる優しい彼に傾いているのだ。
感激とうれしさのあまりに思わず彼の名を打ち込む彼女。

「あ〜・・・さるまた・・・さん」

どかかか。

オフ会で、お目当ての彼女と初めてのご対面。
きばって目一杯キメて会場に出かけて行く。
「お どうやらあの娘だな?やはり想像通りかなりイケてる・・・ラッキー」
すかさず隣の席をキープ。自慢の横顔をしばらくなにげに彼女に印象付ける。
そして、機を見計らってさっそくさわやかな自己紹介。
昨夜練習した、とっておきの最高の笑顔でやさしく話かける。
「こんにちは・・・」
まんざらでもなさそうな彼女の様子。実際彼は本当にかっこいいのだ。
(え?誰なんだろう。この人とっても素敵・・・ドキドキ)
よし行け!そこですかさずアタック開始!
なんたって第一印象が勝負。落ち着いてバリトンの声で自己紹介。

「僕・・・さるまた・・・です」

どかかか。

けっして『さるまた』君の二の舞にはならないでもらいたい。


心得その弐 チャットではあせるな!

今の所、ネットは文字のやりとりが中心である。
気持ちを文字にのせて、彼女へ送る訳だ。
しかし、かなりキーボードに慣れていたとしても、
手は思考のスピードには追い付けない。
しかも、チャットで盛り上がってきて興奮すればするほど、気持ちばかりが先に行き、
打ち込みにあせりが出てくる。
当然、とんでもない文字の打ち間違いが起こってしまう事もある。
チャットの恐ろしい所は、一度リターン押すともう記事の削除が出来ない所にある。
肝心な場面での、マヌケな誤字は命とりなのだ。
深夜の2ショットチャット。だんだんと甘いムードにとろけだす2人。
君の言葉の愛撫で、もうすでに彼女はイク寸前だ。
君ももう我慢が出来ない。よしっ!一緒にいくんだ昇天だ!
すでに彼女も、君の次の言葉を今か今かと待っている。
(どんな素敵な言葉で、私をいかせてくれるのかしら?早くきて!)
モニターを見る瞳は潤み、熱い身体は熔けだしそうだ。
君は興奮にふるえる指で、ついついあせりがちに次の言葉を送りだす。
リロードする彼女。待ちに待った君の愛と情熱が画面にほとばしる!

「もうがめんでくないよ、きもふぁもそお・・・」

「・・・・・」

どたた。

解読不能な言葉に、一瞬でシラケル事請け合いである・・・

くれぐれも、ここぞの場面での打損じ、誤字脱字には気を付けていただきたい。
マヌケな漢字変換も同様である。


心得その参 下手な技は使うべからず!

インパクトを狙って、チャットでの書き込みにタグを使う場合がある。
そりゃそうだ。他の野郎が普通のありきたりの文字で勝負してる時に、
デカ字やレインボー文字、画像での装飾まで使って
彼女に自分の愛をアピールするのはある意味効果があるかもしれない。
タグを使えるっていうインテリジェンスは、ネット上に限って言えば多少の
アドバンテージにはなるだろう。
しかし、これも一歩間違えると大顰蹙なのだ。
彼は最近覚えた<MARQUEE>タグを使って、
チャットでの愛の言葉をスクロールさせようと企てた。
「ははは。俺のこの動くメッセージで、他のばかたれどもの発言は色あせるぜ。
チャットを愛の電光掲示板に変えてやる!
彼女の心は俺のスクロール発言に釘付けさ。ざま〜みやがれ。」
得意になってタグを打ち込む。「よしっ!リターン」
しかし次の瞬間、画面ではとんでもない事態が起こってしまった・・・
タグを終了させるのを忘れてしまった為に、
なんと表示されている全員の発言の文字が、
いっせいに、ごにょごにょスクロールしはじめたではないか。
だはは。虫のように歩く文字列の行進。
これは実際にはとっても楽しい光景なのだが、もう大顰蹙である。
しかも、誰がやったのかは一目瞭然・・・

これ以外にも、ページ全体をデカ字にしてしまうヤツ。BGMを貼りまくるヤツ。
こともあろうにどっかにページをジャンプさせちゃうヤツ。
その他、マヌケな事故はけっこうある。
技を使うならば、くれぐれも充分に練習を積んでから臨んでもらいたい。


心得その四 結局は・・・

何度も言うが現実は厳しいのだ。最近は商業上の理由から、
ネットはナンパ天国のように語られる事が多いけど、
実際は通常の街角となんら変わらない空間なのだ。
男の場合、街でモテないヤツがネットで大モテなんて事はありえない。
そうそうオイシイ話はころがっていないのだ。
(反対に、女性の場合はまだまだそれが全然ありえる所が面白いけどね)
結局近道は“男を磨く”ことしかなさそうである。
しかし、昔はオンラインの男女比率がおそろしく片寄っていたんで、
恋愛インフレ状態が当たり前だったけれど、
ここ最近はネットにも女性が多くなってきていて、
ほぼ街中と同じ比率になってきている。
ほら、君にピッタリの最高の彼女が、君の誘いを回線の向こうで待っている。
今夜もはりきって挑んでもらいたい。
諦めなければ、決して負けにはならないのだ!



《あとがき》

人生において人との出会いは、特に女性との出会いは男だったら誰にとっても
非常に重要なポイントである。今回はそんなナンパについての話をしてみた。
男性にとっては、とても興味のある肝心な話題のひとつだと思うんで、
面白い話あったら、俺のサイトのこのページとの連動コーナーのボードに
みんなのネットでの恋愛の体験談、失敗談、あがりのパターンを
是非書き込んでもらいたい。
そんでそれぞれの体験談を糧に、みんなで幸福をつかもうではないか。
ところで、次回のテーマは“お金”。
ネットでの“一攫千金”について話したいと思う。
それについての書き込みも待ってるぜ。
んじゃ ヨロシク!!







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