第18回『良い子のお料理教室 編』
横浜銀蝿『ぶっちぎりINTERNET』DiGi/USER 11月号原稿
《タイトル》
良い子のお料理教室 編
《本文》
いきなりで何なんだが、このコラムを書いている時、
どうしても話題がアンダーな方角に寄りがちになってしまっている俺。
ネットナンパや出会い系、
美少女ゲームや変態サイト、そして掲示板荒らしと、
考えてみたら、どれもこれもちょっとダークな世界。
そもそもパソコンの話題とかネットの話題とかって、
正直いって、ちょっと暗いか、怪しいかエロいイメージじゃん?。
だから俺の筆も、やっぱどうしても、くら〜いヲタクめいた方向や、
こわ〜いアングラな裏話や、エロ系に引っ張られてしまうのである。
自分自身、それ系ばっかりってのはなんだし、
俺のイメージ的に言ってもそれはちょ〜っと、と思っているわけで、
だいち、読者のみなさんや、全国の俺の子猫ちゃんたちに、
「TAKUちゃんて、入ってるのヲヤジだけだと思ってたら、
ヲタクもきてるし、だいち暗くない?」
とか思われちゃうのも、ちと、いやすごくまずい。
やはり俺は、横浜銀蝿の褐色のロックマシ〜ンTAKU様なのだ。
そこで本日は、健全でさわやかな良い子のみなさんや悪い子のみなさんが、
明るい太陽の下で読めるような話題を進めて行きたいと思っている。
つまり、電車の中とかでこれ読んでる時に、たとえ隣の人に覗き込まれても、
全然うしろめたかったり、
恥ずかしかったりしないような話題をお届けしたいと思うのである。
さて、そんな素晴らしい今回のテーマはクッキング、
そう、つまりお料理である。
自慢するわけじゃないが、俺は料理も大得意である・・・えっへん!
和洋中は言うに及ばず、
マニアにエスニックまでをも網羅するその数々のレパートリーは、
かの海原雄山をもうらなせた程の腕前である。
しかも、調理そのものやその盛り付けテクだけではなく、
包丁研ぎも上手いし、鉄鍋の磨きにも年季が入っている。
ついでに洗い場でだって、とっても良い仕事人だ。
頑固な油よごれなんてものはちょちょいのちょい。
スポンジ除菌もなんのそのである。
そいえばツッパリ上がりのヤツには、
料理の上手なヤツって意外に多い。
飲食店始めたり、調理師免許取って料理のプロになってるヤツもゴロゴロいる。
あと、これはあんま関係ない話だが、
イラストとかマンガが妙に上手なヤツも多い(笑)。
暴走族系車雑誌とか見ると、
ツッパリ読者からの投稿イラストが百花繚乱である。
まぁ改造車のデフォルメイラストはともかく、
やっぱ男たるもの、普段どんなに偉そうにふんぞり返っていても、
いざという時は得意料理のひとつやふたつ、
愛する女のためにパパパっとつくれなくてはならん。
とっころがどっこい最近の若いモンは・・・特になんと女のコ。
じぇんじぇん料理ができないだけじゃなく、
米をとぐときに、何と中性洗剤入れて洗っちゃうバカや、
スーパーの切り身の魚しか見たことないから、
海で切り身があのまま泳いでると思い込んでいる阿呆さえいるのだ。
そいえばみなさん。
話は変わりますが、満月の海の、
ホタテ貝の大移動の話って知ってますか?
テレビとかで観たことある人もいるかもしれませんが・・・
あのね、波の静かな満月の晩にね、
海にいるホタテ貝がいっせいにプカプカ海面に浮き上がってくるわけよ。
んでね、みんなでパカっと殻を開くの。
そんで、立てた殻に風をいっぱいに受けて、
そう、まさに帆を立てるようにして、
何千何万のホタテ貝が、
大群で海面をヨットみたいにスイスイ滑るように泳いで大移動するんだってさ。
その光景はもう圧巻で、それはそれはものすごい光景なんだって。
これって話聞いてるだけでなんかすごいでしょう?
これぞまさに自然の大スペクタクルなんだってさ・・・
な〜んて話を信じちゃうようなヤツが、
海で切り身が泳いでるって思ってるわけですな。がははは。
んなわけね〜だろが。
とにかく話を料理に戻す。
若い頃は、彼女を選ぶときに、料理の腕なんてもんは全然関係ないと思っていた。
だってそりゃそうでしょう?
デートして、エッチして、んでまたデートして、エッチしての繰り返しの中で、
相手の料理の腕なんてもんが、実際必要になる場面なんてありゃしないでしょう?
包丁握ってる暇あったら、俺のでも握ってなしゃいっ!ってのが若い男の本音だと思う。
ところがどっこい、大人になってくると多分に考えも変わってくるのだ。
料理ってのはやっぱ、五感をフルに総動員して行う、いわば総合芸術みたいなもんじゃん。
調理技術や、盛り付けられて出来上がってくる料理もそうだけど、
キッチンの手入れから、道具のメンテ、材料の仕込みから、作業の手際や後片付けまで。
とにかく、一連の作業全部や、そこに込められてる気持ちとか、
食べる相手への心使いって、
その人の、他のことにも全部通じてると思いませんか?
まぁ掃除にしたって、洗濯にしたって、
全部同じように他のことにも通じてると思うんだけど、
結局料理とかって、その人物の、
性格・センス・育ち・生活環境・相手への思いやりとかが、
全〜部出てくるじゃんか?
あ そうそう、またまた話全然変わっちゃうけど、ついでにいい?
あのさ、その人が書く字って、とっても肝心だと思わない?
普通にボールペンや万年筆とかで手で書く字だよ、字。
あれもその人となりが表れる。
みんなある程度の年齢になったら、自分の書く字には責任を持った方がいいよね。
男女ともになんだけど、特に女性なんて絶対にそうだと思う。
これはねぇ、オッパイの大きさや、学歴や職業、顔の出来不出来や、
背中の感度とはまるで次元の違う問題なわけよ。
外人には多いパターンなんだけど(もちろんその場合アルファベットね・・・)、
どんなに美人でナイスバディでも、
どんなに生き方が素敵でも、どんなに床上手でも、
書いた字が小学生なみだったら、いっぺんにしらける。
ということで全国の女性のみなさん。
素敵な女性を目指すのなら、素敵な字を書きましょう。
すまん。どうしてこう話が脱線するのであろうか?
料理教室のはずが、いつの間にか習字教室になってしまっている。
それでなくても最近説教が多いからなぁ・・・いかんいかん・・・だはは。
とにかく、もう世間は秋である。
秋といえばもちろん食欲の秋だ。
最高の調味料は空腹っていうくらいだから、
今の季節はちょっと頑張ればとってもおいしい料理が作れる。
さて・・・ということで、
普段まったくもって
キッチンなる所に足を踏み入れないそこの君、そしてあなた。
ここらでいっちょ料理でもいかがでしょうか?
大切な誰かのために腕によりをかけるのもよし。
カップルでイチャイチャ仲良くやるのもよし。
仲間や家族で、キャンプみたいにわいわいやるのもよし。
きっとそれぞれ、素敵な時間と空間が満喫できると思います。
ところで・・・
和洋中は言うに及ばず、マニアにエスニックまでをも網羅し、
かの海原雄山をもうらなせた程の腕前である俺様の、
数ある素晴らしい料理のレパートリーの中でも、
ひときわさん然と輝く至福の一品を俺は今、みずからで味わっている。
うわぉ・・・う・うまい・・・まさに芸術だ・・・これを究極と呼ばずして何が人生なのだ。
口の中で、
渾然一体となってとろける芳醇なソースとバターのハーモニー。
新鮮で爽やかな、
そでていて、どこか懐かしさも漂うこのジューシーでまったりとした食感。
ううう・・・俺は今猛烈に感動している。
な・なんて上手いんだ・・・
こ・この・・・俺の作ったやきそばパン。
-了-
《今月のお薦めサイト》
○ 夢的COOKING STUDIO
新米主婦みこさんの個人サイト。
食卓料理のレシピだけじゃなく、お弁当や道具のこと、
おかしの話題もあります。
○ レシピがいっぱい!節約簡単クッキング
岡山の仲良し母娘、おみそ&なおみさんの、
ほのぼのクッキングサイトです。
簡単レシピや役に立つキッチンメモ、
節約の裏技等が紹介されています。
○ 一人暮らしをしよう
福岡のミスズさんの個人サイト。
料理専門のサイトではありませんが、
簡単料理のレシピや冷凍保存のテクが役に立ちます。
○ 自炊の知恵
自炊の為の、簡単・お手軽・お気楽極楽なレシピ&アイディア集です。
○ 青春のふーふーあつあつレシピ
青春時代の安くてうまい簡単料理。
○ お気楽レシピ
霧山 蒔那さんの『ひるねべや On Line』の中にある料理のページです。
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