-デジタルヤンキー 仏恥義理男塾- 第35回
必勝!不良講座
漫画は男の教科書だ!
横浜銀蝿 -デジタルヤンキー 仏恥義理男塾- DiGi/USER 5月号原稿
《タイトル》
必勝!不良講座
漫画は男の教科書だ!
《本文》
いきなりで何なんだが、俺は読書が大好きである。
がしかし漫画も大好きである。
よく、活字は認めても、漫画は認めないって人もいるが、
俺の場合は違う。
書物は書物、漫画は漫画である。
文章表現の世界とは別に、
漫画でしか表現できない世界ってのもまたあると俺は思ってる。
けど俺は、ただ娯楽として漫画を読んでるほど暇人ではない。
これは漫画だけじゃなく、読書も映画もビデオも舞台も、
あ、CD聴くのさえもそうなんだけれど、
俺の場合、そゆのはみんな趣味や暇つぶしではなく、
仕事や生きざまのヒントになる刺激が欲しい!
つう目的意識の為。
エロ漫画からでさえ、何かを得ようとする気合が大事である。
(^-^; あはは。
前回、人生のヒントとしてヤクザ映画の話をしたけれども、
今回は、ヒントになると思われる、俺のお薦め漫画の話をしたいと思う。
これまで、数え切れない程の漫画を読んだが、
ストーリーとしては面白かったり、
こいついい!と思える魅力のあるキャラはたくさん出てきたけれども、
でもその人物を人生のお手本にしたいなとまで思えるキャラはわりと少ない。
古典のジョーや飛雄馬は、どうもリアリティに欠けすぎだし、
『クローズ』(高橋ヒロシ)みたいな不良モノの登場キャラは、
気合は良いが、若すぎでだいち馬鹿だ。
格闘モノでは、軍鶏(橋本以蔵/たなか亜希夫)や高校鉄拳伝タフ(猿渡哲也)、
グラップラー刃牙(板垣恵介)あたりが好きだけど、
あんなのマネしちゃ命がいくつあってもたりん。
バカボンのパパも偉大ではあるが、
まさかああでは周りが大変だろう。
やはりそこはフィクションの世界。
どうもみんな帯に短し襷に長しなのだ。
そんな中で、
まず俺が男の漫画を語るときに、
やはりどうしてもはずせないのは、
『ゴルゴ13』(さいとう・たかお)だ。
なにしろガキの頃、
床屋の待合室にあった大人の雑誌で初めて読んで以来、
そろそろ43歳になる今日まで、
ずぅ〜〜〜〜〜〜〜っと、読み続けている漫画だ。
昭和43年(1968年)に連載を開始して、
なんと今年で連載35年の超長寿作品である。
単行本はすでに127巻を数え、
これはきっと、文句なく日本一ではあるまいか?
もしかしたらギネスかもしれない。
主人公のゴルゴ(デューク・東郷)も、
時代とともにどんどんどんどんカッコヨクなっていき、
今や、非の打ちどころのないキャラに完成している。
最初の頃はもうちっと口数多かったし、今より確か身長も7cm程低かった。
まあこういう事はどんなロングランマンガにも言える事なんだけど、
連載が長くなればなるほど、主人公は歳を重ね、絵やストーリーも洗練されていく。
とにかく、35年たった今のゴルゴは完璧である。
最近では、セリフなんてほとんどない。
全部「・・・・・・・・」である。
しかも無表情だ。
表情もなく「・・・・・・・・」だけですべてを語れるキャラが、
ゴルゴ以外にそういるであろうか?
俺の座右の銘、“木鶏のごとく”をまさに体現している人物である。
余談ではあるが、ゴルゴが「ふふふ」と笑ったのは、
500話にものぼるエピソードの中で、
1話、2話、8話(ともに1969年)と、
333話(1994年)のたった4作だけだ。
もしこれが小説であったならば、ストーリーの進行上、
たぶん余分な本人の思考を記述する文章がどうしても必要になるだろうから、
ここまで無口ではいれないだろう。
やはり漫画だからこそ、あのキャラが存在できるんだな。
とにかくある意味、ゴルゴは理想のお手本の一人である。
血液型がA型ってのがいまいち気になるが、
てゆか俺がB型なので、ど〜んなに気張ってもたぶん俺は、
彼のようにはなれないので、
だからよけいに憧れるわけだ。
結局、無い物ねだりなのか?あはは。
俺もそのうち、「・・・・・・・・」だけで
周囲を納得させ得る人物になりたいなと思っている。
そうそう、俺的に無い物ねだりからくるお手本の決定版といえば、
『風の大地』(坂田信弘/かざま鋭二)の沖田圭介。
ちなみにゴルゴは殺し屋だが、彼はプロゴルファー。
彼は良いよ。絶対に良い。
まさに俺的には理想の性格。
俺、とってもまじに、次に生まれ変わったら、
絶対に彼のような男に生まれてきたいとまで思ってる。
沖田圭介を見てると、
自分が自分であることが嫌になる。
彼に感動して、読みながらわんわん泣けるのはいいが、
それにひきかえなんで俺はこんなにひん曲がった男なのか・・・と、
かえってその後に気分悪くなるくらいだ。
それくらいに魅力的な男。
嗚呼、沖田圭介みたいな男になりてえ〜〜〜。
ゴルフ漫画なので、ゴルフやらない人には敬遠されがちの作品だが、
実際にゴルフをやらない俺が、ここまで沖田に感動する作品である。
ゴルフに興味のない諸君も、是非一度、沖田圭介って人物に触れていただきたい。
スポーツキャラの話になると、
忘れちゃいけないのはやっぱ、
『あぶさん』(水島新司)の景浦安武でしょう?
水島野球作品のキャラの中では、誰が好きかって意味では、
ドカベンの岩鬼が一番なんだけれど、
人生のお手本となると、
いくら酒を飲まない俺でも、やはりあぶさんだ。
『あぶさん』もロングランだよね。
ゴルゴもリアルタイムのストーリー展開なので、
もうかなりの歳になってきてるだろうけど、
あぶさんもそう。劇中では、なんと55歳の現役プロ野球選手である。
彼も、1973年から現在までの長い連載をへて完璧なキャラになった人。
そいえばあぶさんも、だんだん背が高くなっていった。
だって今じゃジャイアンツの清原と同じくらいの身体してんもんな・・・。
最初は、酔っ払いの代打専門の選手だったが、
今や彼は、人物として、プレイヤーとして、
いやいや、もう存在そのものが日本プロ野球界の宝だ。
『おーい!竜馬』(武田鉄矢/小山ゆう)で描かれている竜馬も最高。
そもそも坂本竜馬は実在の人物だし、
様々な作品で登場してファンが多いが、
この漫画の竜馬は特に良い。
彼ほど、男にとってのスケールを教えてくれるキャラはいない。
てなわけで、
なんとなく俺的に思いつく4人の漫画キャラを紹介したが、
読み方によっちゃ本当に、漫画も男の教科書である。
それにしても。
24時間いつでも、コンビニの立ち読みで男が磨けるなんて、
なんと素晴らしい時代ではないか・・・あはは
それじゃあ健闘を祈る!
-了-
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