PROFILE
インドは映画大国。
年間およそ800本にもおよぶ映画がリリースされる。
最近はTVが普及したとはいえ、依然映画が娯楽の王様だ。
インドはひとつの国の中で、
なんと18の主要言語及び844の方言が使われている多言語国。
公用語はいちお英語とヒンディ語だが、10億人も人がいる広い国内で、
地域ごとそれぞれの言語と宗教がきっちり壁をつくっている。
州の境界線を越えたら、まったく言葉が通じないこともあったりするのだ。
つまり制作される映画も同様で、それぞれの地域で、それぞれの言語の映画が作られている。
さて、俺の崇拝するラジニカーントは、そんなインドの中で、
南に位置するタミル語地域、
タミルナードゥー州の州都チェンナイ(マドラス)を本拠地とする
タミルムービーのスーパースター。
簡単なプロフは・・・・
芸名 : ラジニカーント Rajnikanth
サンスクリット語でラジニ=夜、カーント=愛されるものの意で、「月」の雅語。
本名 : シヴァージー・ラーオ・ガエクワール Shivaji Rao Gaekwad
シヴァージーは17世紀のマラータ族の英雄の名。
生年月日 : 1950年12月12日(射手座) 父は警察官、4人兄弟の末っ子。
出身地 : カルナータカ州バンガロール
両親ともマラータ人(北隣りのマハーラーシュトラ州出身)で、
1947年のインド独立後、バンガロールに移住してきた。
家族 : 夫人 ラタ 娘 アイシュワリヤ&サウンダリヤ
前職 : バンガロールで市バスの車掌・大工・ポーター・事務所のパシリ・木こりなど
つまりは、俺よか10歳ばかし歳上のインド人のおっさんなのだ。
しかし、彼をあなどってはいけない。
彼はタミルの“スーパースター”なのだ。
いや、ほとんど“神様”なのだ。
インドでのスターの条件は、“色白”“二枚目”“親の七光り”。
特に、“親の七光り”なしで、スター俳優になることは、ほとんどあり得ない。
そのことを知っているからこそ、民衆はラジニのことを“スーパースター”と呼ぶ。
インドでは、どのメディアでも、看板でも、広告でも、文章でも、
とにかく、彼の名前が文字になる場合、
必ず“スーパースター ラジニカーント”と表記される。
ラジニ作品の上映期間中になると、
チェンナイの街は、街中の彼の看板とポスターでラジニ一色になる。
もはや、映画看板というよりか、政治活動に見える程だ。
とにかく、街中ラジニ一色、ラジニの顔・顔・顔・・・
映画館の中での盛り上がりは、もっともっとものすごい。
上映がはじまり、お馴染みの“スーパースター”ロゴが流れ出すと、
手拍子はもちろん、口笛、声援、クラッカーで曲が聞こえなくなる。
そしてラジニカーントがスクリーンに登場した瞬間、
観客のボルテージは一気に爆発。
紙吹雪、舞台の上にのぼって踊り狂う、
喉が切れそうな黄色い声援・・・
観客は、スクリーンのラジニの説教に酔いしれ、
彼を虐める悪役を本気で怒る。
これが“スーパースター” ラジニカーントなのだ!
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