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仏恥義理インターネット


-仏恥義理インターネット- 第08回(Yahoo! Internet Guide 2005/01月号)

手書きの薦め の巻

パソの“なんちゃって毛筆”で
つづる年賀状・・・ちょっと待て

きなりで何なんだが、
毎年この季節になると、個人ユーザーに向けて一斉に売り出される年賀状ソフト
パソ雑誌も、ここぞとばかりに年賀状の特集を組む。

きっとソフト業界も、年賀状マーケットってのはでかくて、
まさに力の入れ時なんだろなとは思うが、しかしだ。
私的な書簡は手書きに限る主義な俺としては、
年賀状を自宅のプリンターでシコシコ印刷して出すってのは、
どうもいまいち納得がいかないのだ。

そりゃ公的なっていうか、
仕事関係の年賀状を印刷で済ませるのはわかる。
だって、出す数の桁が違ってくるだろうし、
いちお立場を背負っての書簡だから
きっちりとした体裁で送るべきだろうし、
だいち、いちいち全部手書きでやってたら、
年末は仕事にならなくなってしまう。

でもでも、なんで私的な個人の年賀状までプリントアウトすんだろか?

まぁ確かに、ソフト使ってデザインして、
んで印刷して出来上がるまでの作業は楽しいかもしれない。

普段、ウェブかメールでしか使ってない自宅のパソを、
ここぞとばかりに活用するぞって意識も加わって、
そそ、せっかく買ったプリンターもたまには使わなきゃだもんね。

う〜ん、でもさぁ・・・
そゆ年賀状は、もらったほはあんま楽しくないんではないか?

地のデザインちゅうか、絵柄をどうにかしたいってのはまぁいいとして、
本文と、宛名や差出人まで“なんちゃって毛筆”のフォントじゃぁ、
なんかしらけっちゃうんだけどなぁ、俺的には。

つうか、もしすべてをパソ処理してデータをプリントアウトすんなら、
わざわざ葉書使う必要も、郵便局の人に配達してもらう必要もないぢゃん。
それこそデータ相手にメールで送って画面で観てもらうか、
向こうでプリントアウトしてもらえば事は済む。
切手もいらねえし ぶw。

つかね、ただでさえ普段から手で字を書かなくなってきている今日この頃
日常ほとんど手紙よかメールだし、それ以外の文章だっておそらくワープロでちょ?

漢字も変換で出てくるからどんどんどんどん忘れちゃうし、
筆記用具や紙に凝るとか、自分なりの字体を工夫するとか、
そゆ機会もどんどんどんどん減ってきている。

残された唯一の手書きチャンスが年賀状なのに、
それさえパソ使ってたら、もう完全にアウチじゃんか。

以前はさ、その筆跡で誰が書いたのかわかるっていうか、
その人の書く字が、その人の人格の一部としてインプットされていたんだけれども、
もうすでにそんなのないもね。
自分の彼女の手書きの字どんなのだっけ?とかいう人多いんぢゃん?

だからつうか、こんな時代だからこそ、
せっせと手書きで年賀状を出す。
できれば毛筆で個性ありありの書体で書く。

んで元旦に受け取った時に、
おお この字はあいつだなみたいに、
差出人みなくとも誰からの年賀状だかわかる。
そゆのが日本の正月の段取りとしてはいんではないか?と俺は思うのら。

こんな事を言ってると、
時代に逆行したアナクロ親父みたいだけれどもそうぢゃあない

パソにやらして効率のいいことはどんどんパソにやらせりゃいい。
でもでも、人が手でやったほがいいことは、
どんな世の中になってもシコシコ自分の手でやるべきだと俺は言いたいのだ。

テンプレートからおきまりの絵柄選んで配置して、
毛筆のフォントで住所録から即プリントアウト。
それじゃああまりにも風情がないだろお。

俺としては、パソで作った色鮮やかでグッドなデザインのお決まりの年賀状よりも、
たとえそれがどんなに蛇ののたくった様な字であっても、
たとえ「おっめぇ、ちっとは字ぃ練習しろよ・・・」とか思っても、
友人が忙しい中、一生懸命手で書いてくれた年賀状に心を動かされる

パソ雑誌のコラムで、年賀状の“手書きの薦め”は何か妙だけれども、
(しかも今月、誌面でも年賀状の特集してるしぃ・・・ぶw)
ようは心や気持ちを送るって?みたいな話。

まあとにかく、今年もみんなそれぞれ心のこもった年賀状を作ってくださいな。
健闘を祈る!


-了-









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